食品中マイコトキシン(カビ毒)の分析
カビの代謝産物として生産される毒素の総称をカビ毒といいます。急性毒性を引き起こす細菌性食中毒とは異なり、慢性毒性、特に発がん性を示すものが多く穀類、豆類、種子類、香辛料などに多く発生します。現在、食品衛生法上ではアフラトキシンB1、B2、G1、G2、パツリン、デオキシニバレノールがモニタリング必要項目とされております。日本エコテックではこれらモニタリング要求項目に加え、アフラトキシンM1、オクラトキシンA、トリコテセン類毒素であるニバレノール、T-2トキシン、HT-2トキシン、ゼアラレノン、フモニシンB1・B2といったカビ毒分析を通じ、食の安全・安心に貢献して参ります。

 
カビ毒
汚染事例
日本国内規制動向
国際規制動向
アフラトキシン
B1,B2,G1,G2
国産:-
輸入品:落花生、ハトムギ、トウモロコシ、米、香辛料
4種 10µg/kg(全食品) Codex:4種15ppb(落花生)
EU:4種2〜8ppb
  15ppb(加工用落花生)
  15ppb(加工用木の実)
  10ppb(直接消費木の実)
アフラトキシンM1 乳・チーズ 食品安全委員会でリスク評価中 Codex : 0.5ppb (牛乳)
EU: 0.025ppb(乳児用調製粉乳)
オクラトキシンA 国産:小麦、そば
輸入品:小麦、干しブドウ、コーヒー豆、ココア
農林水産省、厚生労働省にて実態調査中 Codex:5 ppb
EU:0.5〜10ppb
パツリン 国産:りんご果汁
輸入品:りんご果汁
50ppb
(りんご果汁基準値)
Codex:50ppb(りんご果汁)
デオキシニバレノール 国産:小麦、大麦
輸入品:小麦、大麦
1100ppb
(小麦)(暫定基準値)
Codex:検討中
EU:200〜1750ppb
ニバレノール 国産:小麦、大麦
輸入品:小麦、大麦
厚生労働省にて毒性評価中 (日本を含む限局した地域でしか発生しないため、国際的に規制の動きは鈍い)
T-2トキシン
HT-2トキシン
麦、トウモロコシ、米、豆類 農林水産省にてリスクプロファイル済  
ゼアラレノン 麦、ハトムギ、トウモロコシ、豆類 食品 :設定なし
飼料: 1000ppb
EU: 20〜400ppb(食品)
  2000〜3000ppb(飼料)
フモニシンB1・B2 トウモロコシ、大豆、ビール 平成16〜18年汚染実態調査済 USA:2000〜4000ppb
EU:200〜4000ppb
      平成21年2月現在 弊社調べ
カビ毒分析料金

アフラトキシンB1 定価 20,000円
  アフラトキシン4種(B1,B2,G1,G2)  定価 23,000円
  アフラトキシンM1  定価 20,000円
  オクラトキシンA  定価 20,000円
  パツリン  定価 20,000円
  デオキシニバレノール  定価 20,000円
  T-2トキシン 定価 20,000円
  HT-2トキシン 定価 20,000円
  ゼアラレノン  定価 20,000円
  フモニシンB1・B2  定価 22,000円
  マイコトキシン一斉分析 (価格)お問い合わせください。
※項目数により異なります。
※調整粉乳のアフラトキシンM1分析の価格については、別途お問い合わせください。
日本エコテックでのカビ毒分析
日本エコテックでは豊富な分析経験によるサンプルの前処理技術とLC/MS/MSを用いたMS/MS解析により一般的に分析困難なサンプルについても高感度で選択的にマイコトキシンを検出することを可能にしております。

※分析困難なサンプルの一例
  香辛料・生薬・コーヒー豆
アフラトキシンB1
Aflatoxine B1


  API 4000TM  LC/MS/MS システム
API 4000TM LC/MS/MS システム
  (弊社福島分析センター)

分析データ
カビ毒
主な毒素産生株
主な特徴他
アフラトキシン
Aspergillus
A. flavus
A. parasiticus

・汚染されやすい食品は、ナッツ類、穀類、香辛料および乳製品。
・急性毒性として肝機能障害、長期毒性として肝臓がんを発生させる。急性毒性の強さはB1>M1>G1>M2>B2>G2の順とされ、またB1についてはラットに対する発がん試験の結果から現在知られている化学物質中、最強の発がん物質と考えられている。
・熱に安定(270℃以上で分解)で通常の加工・調理では分解されない。
・生産株は熱帯、亜熱帯で多く発生し、温帯や寒帯に属する日本や欧州ではほとんど認められない。
オクラトキシンA Aspergillus
A. ochraceus 
A, niger
Penicillium

P. verrucosum
・汚染されやすい食品は穀類、コーヒー豆、ココア等。
・オクラトキシンAは関連物質の中で毒性がもっとも強く、急性毒性として多くの臓器での出血や、脾臓、脳、肝臓等での血栓、腎臓及びリンパ球の壊死、腸炎等が、また長期毒性として腎機能の低下や、マウスにに対し腎臓および肝臓にがんを引き起こすことが知られている。
・熱に対しては比較的安定な性質がある。
・穀物やその加工食品中等で検出され、農林水産省による汚染実態調査の結果で国産穀物においても汚染が確認されている。
パツリン Aspergillus
A. clavatus
Penicillium

P. patulum
P. expansum
・腐敗リンゴやリンゴジュースが汚染されることがある。
・発見当初抗生物質として注目されたが、毒性が高いことが判明した物質。急性毒性として消化管の充血、出血、潰瘍等、長期毒性として肝臓および腎臓障害などが認められている。
・高温処理(150℃)、亜硫酸塩の添加、活性炭処理により減少するとされている。またアルコール発酵によって分解され、条件によってアスコルビン酸が消失させるともされている。
・汚染実態調査で国内産・外国産のリンゴ果汁で汚染が確認されている。
デオキシニバレノール Fusarium
F. poae
F. graminearum
・小麦・大麦が汚染されやすい。
・急性毒性として悪心、嘔吐、下痢等、長期毒性として成長抑制、免疫抑制、胸腺・脾臓等への影響、造血機能障害が毒性試験により確認されている。
・小麦のふすまに多く、小麦粉に低く含有する。120℃の加熱に安定。210℃の加熱で30〜40分で分解するとされている。パンの発酵・焼成過程で概ね半分減衰。酵母による分解はない。
・日本では麦の生育期に降雨が多く赤かび病が発生しやすい状況にあり、汚染されやすい。汚染実態調査でも国内産・外国産小麦ともに汚染が確認されている。
ニバレノール Fusarium
F. graminearum
F. culmorum

・小麦・大麦が汚染されやすい。
・急性毒性として嘔吐、下痢、肺及び消化管の充血等、長期毒性として肝重量の減少、赤血球数や白血球数の減少が毒性試験により確認されている。
・デオキシニバレノールと同様、日本では生育期に降雨が多く赤かび病が発生しやすい状況にあるため、汚染されやすい。
・小麦の汚染実態調査においても国内産、外国産ともに汚染が確認されている。

T-2トキシン
HT-2トキシン
Fusarium
F. sporotrichioides
・麦、トウモロコシ、豆、米等穀物が汚染されやすい。
・急性毒性として嘔吐、下痢等、長期毒性として咽頭・喉頭の潰瘍や、皮下の点状出血など皮膚疾患を引き起こすことが知られており、ロシアでは越冬させた穀物を食べ食中毒性の白血球減少症により多数死亡した事故が発生している。
・熱に対しては120℃で安定、210℃の加熱で30〜40分で分解するとされている。
・小麦については生育期に発生する赤かび病が汚染の原因とされ、平成16年の農林水産省の調査では輸入飼料の原料及び配合飼料の一部で汚染が確認されている。 
ゼアラレノン Fusarium
F. graminearum
F.crookwellense
・穀類(小麦、トウモロコシ等)が汚染されやすい。
・豚における毒性試験で、外陰部および乳房の腫れ、子宮の肥大、卵巣の変化と不妊娠が確認されている。細胞内のエストロゲン受容体と結合し、エストロゲン誘導性のたん白質が発現するとされている。発がん性は確認されていない。
・加熱に安定で、150℃、45 分の処理でもほとんど分解しないとされている。
・農林水産省の汚染実態調査で、食用小麦・飼料(とうもろこし、マイロ、大麦、小麦)で汚染が確認されている。
フモニシンB1・B2 Fusarium
F. verticillioides
F. proliferatum
・穀類(トウモロコシ、大豆等)が汚染されやすい。
・腎毒性(腎重量減少、尿細管上皮細胞等)や肝毒性(肝細胞の壊死等)が確認されており、ラットやマウスの発がん性試験で肝癌及び腎癌が認められている。
・熱に対して安定 (150℃で減衰)とされ、発酵では減衰しない。アルカリによる調理(nixtamalization)で加水分解されるが、十分に減衰しないとされている。
・農林水産省の調査で、トウモロコシを使用した食品や、飼料などで汚染が確認されている。
    参考資料:農林水産省HP、医歯薬出版 新食品衛生学要説
※アフラトキシンM1について
アフラトキシンM1はアフラトキシンB1に汚染された飼料を摂取した生体内でアフラトキシンB1が水酸化され生成されるカビ毒です。哺乳動物では乳中にも移行するため牛乳として0.5ppb、調整粉乳では0.025ppbと国際基準値の策定が進行中です。(乳牛の飼料であるトウモロコシ等穀物がアフラトキシンB1で汚染 されていることが原因とされています)
 

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